見渡す限り下ネタ
本編とは全く関係ない話ですが、本日はPCの調子がいかんともしがたく悪く、せっかく書いてあげた記事の誤字脱字を編集するに際し、あまりの動きの悪さに怒りが爆発し、誤って消してしまう事故発生。真面目な記事書いてたんだけどなぁ・・・。で、ヤケクソのタイトルと内容でいきます。昨日の続きを書きたいと思います。
衝撃の入学式から半年、道端でアルコールにまみれ、フルチンで眠る労働者のおじさんにもすっかり慣れてしまった僕。その頃には、
(あのおっさん、仮性包茎だな。上野クリニック行って1つ【上の】男にならなきゃな、グフフフ・・・)とか、
(色の迫力は負けてるけど、俺の方がデカいな。グフフフ)とか、
16歳の爽やかな男子高生らしい会話をクラスメートとする余裕さえ生まれておりました。いつも寝ている変なパーマのおじさんに、
【毛先が球(キュウ)】
という歯ブラシのようなあだ名をつけた級友Kは、入学早々クラスメイトのOと派手なケンカをやらかし、負けた翌日、歩道橋でいきなり背後からOに殴り掛かるという執念深さを見せた、厄介な男です。そして相棒のH。
2人は生野区からここへ通うコリアンジャパニーズで、入学後間もない教室で、いきなり僕を驚愕させたコンビです。
その仲良くなったきっかけの会話がコチラ。
あれは僕が13歳の中1の頃でした。毎日のようにバス釣りに明け暮れていた旅寅少年は、釣れると評判の大阪市内にある「桃ヶ池」という池に、自転車で1時間かけて行きました。そこは都会の真ん中にある汚い普通の池。いや、ほんまに普通の汚い池です。ただ、バスはよく釣れました。真夏の昼間、炎天下。無邪気な旅寅少年は、日に焼けながら、必死にブラックバスを追います。そこに・・・
ワイワイガヤガヤと、どうみても僕の地元にはいない、クセのある同世代の少年たちが訪れたのです。
(うわっ、ガラ悪っ!?目合わしたらカツアゲされるなこりゃ)
うちの中学にもヤンキーは沢山いました。僕もグループ的にはその辺に混じったり混じらなかったりはしてたので、そういう連中には慣れているはずだったんですが、その数人組は、ちょっと雰囲気が違うというか、田舎のヤンキーに比して、まとっているオーラの質が妙に濃かったのです。そして、次の瞬間、その予感は当たりました。
どぼーーーーーーーーーーーーーーーん。
どぼーーーーーーーーーーーーーーーん。
ひゃっほぉーーーーーーーーーーーーっ。
いつの間にか海パン1っちょになっていた彼らは、なんとその小汚い池に頭から飛び込み、泳ぎ始めたのです。
正気かお前らっ!!?
・・・・・逃げました(笑)そんな横で呑気に釣りなんてできません(笑)ばい菌とかウィルスとか、難しいことは分かりませんがね。
チラッと振り向けば、浮き輪まで浮かべているじゃありませんか??
翌日、のどかな我が中学でその出来事を話しても、当然のことながら誰も信じてくれませんでした。うん、きっと幻だ。日差しがきつかったんで日射病にでもなってたんだろ・・・。
そして時は流れて、高校入学直後の教室。
僕の隣のKの席に来て話していたHがポロッと言いました。
「5月やのにもう暑いの~。また桃ヶ池泳ぎにいかなあかんな?」
「お前らかいっ!!!?」
思わずツッコミましたね(笑)Kは涼やかな顔で言います。
「なんや旅寅も桃ヶ池行ってたんかいな!?声かけろよ~水くさいな~。っていうか、水がくさいのはあの池か!?・・・なんてな~!なははは!!」
・・・そこからです。僕はこのコンビに魅了されてしまいました。
(世の中、笑かす奴はなんぼでもおるわ・・・)
大阪の男児にとって、自分より面白い人間がいることを認めることは、キツイことです。僕は小・中と、クラスでも面白い奴で通っていましたが、このコンビに出会って、ツッコミにまわることにしました。こんな規格外の連中に勝てるわけがない。他にもうちのクラスには、なかなかに強力なのが揃っておりまして、さすがに学区関係なく大阪中から濃いのが集まる工業高校です。毎日が楽園、毎日が爆笑。
授業中などひどいものです。
口火を切るのはいつもHです。
「先生、僕、包茎なんです。手術は幾らくらいかかりますか?」
先生も先生です。ノリノリです。
「どっちの包茎や?真性か?仮性か?」
「真性です。・・・マズイっすか!?」
「真性か・・・。確かにそんな顔しとるな・・・」
そこでKが口を挟みます。
「先生・・・僕は仮性なんですけど、仮性みたいな顔してますか・・・!?」
「お前は・・・とりあえずはタチの悪い顔や」
「いえっ、先生、僕、勃起はめっちゃするんです!勃ちは問題ないんですよ!」
「そっちの「タチ」やないわい!!アホかお前は!!」
その間、先生も生徒も常に爆笑。
更にはこんなことも。
口火を切るのはまたHです。
「先生、最近、また激しくハゲましたね・・・」
「やかましわっ!気にしてるのにはっきり言うな、アホッ!!」
そこでKがまた口を挟みます。
「先生、僕のチン毛でよかったら余ってるんで、良かったら移植とか・・・」
「そんな縮れ毛、いらんわいっ!!」
こんなんが日常です。
それでもね、僕らのクラスは本当に先生たちにウケが良くて、今のエピソードのお2人なんて、卒業の時KやHと抱き合っておいおい泣いてました。
何だろう、ただ馬鹿にしてるとかフザけてるってんじゃなくて、ちゃんと押さえるところは押さえながら、大阪の文化であるボケとツッコミ、あと話には必ずオチをつけるっていうのをフルスイング、ギリギリのところでコミュニケーションを取るというかね。
多分、他府県なら通用しないし、今の時代でもこんなバカは通らないですね。
そういう風潮がまだ残った時代の終わり頃に、僕らは青春を過ごしたのです
あの愛しいあいりん地区で。
とはいえ、最初は僕もドン引きしてましたがね、慣れって怖いもんで、真夏が来る頃にはすっかりお下品の仲間入り。居心地が良くなってしまいました。ところがです。そんなファンキーな生徒たちでさえ最初は戸惑うような光景が、厳しいあいりん地区には溢れていました。
- 路上で眠る労働者のおじさま(日常・気にも留めず)
- 路上でフルチンで眠る労働者のおじさま(チンだけチェック)
- 血だらけで倒れている労働者のおじさま(日常・気にも留めず)
- 道路脇の廃車で労働者さんに抱かれている外国人売春婦(車大揺れ)
- 道の側溝で昼間からまぐわう路上生活をするおじさんとおばさん(男は遅漏)
- 真冬。凍死でお亡くなりになっているおじさん(3年で数人見た。合掌)
のどかな河内しか知らなかった僕にとって、それは嘘のような世界でした。当時のあの街には、人間の本質がむき出しに溢れていたのです。まさに毎日が社会勉強。まともに勉強はしなかったけど、叔父さんがいった「社会勉強して来い」の意味だけは、噛みしめた旅寅少年でした。
文化祭に彼女を呼ぶ
ここで今思い出しても笑えるやりとりを1つ。
そんな学校ですから、文化祭に彼女を呼ぶのも一苦労でしてね。何せ治安が良いとは死んでも言えない街ですから、彼氏としては気が気じゃありません。それを見越したのか、文化祭の前日、担任は僕らにアドバイスをくれました。
「お前ら、いっちょまえに彼女がおる奴、手ぇあげてみろ!」
チラホラと挙手。先生は(生意気な)とポツリ。
「ええか、文化祭に彼女呼ぶ奴は必ず駅まで迎えに行ったれよ。中にはとち狂うおじさんもおるからな。1人で歩かすなよ!」
「先生、おかんやねーちゃんは大丈夫なんですか?」
「お前のおかんなら・・・たぶん大丈夫や」
「ど、どういう意味ですか!?」
「深くは考んな!ただお姉さんと妹さん来る奴は迎えにいったれ!」
「先生、ばぁちゃんは?」
「ばぁちゃんはさすがに大丈夫やろけどやな・・・ただ「今宮おろし」に吹かれたら肺をやられるから寿命がな・・・。できたら呼ぶな!!」
「えっ!?そんなん言うたら俺ら毎日ここの空気吸ってますやん!?」
「お前らどうせ学校出たらもっと体に悪いタバコ吸いまくってるんやろが!!ワシの目はフシアナちゃうど!どやK!?間違ってるか!?」
「・・・いえ、当たってます・・・」
爆笑でした。聞く方も聞く方なら答える方も答える方でね。
ただそんな僕らを絶句させ、悶絶する学校行事と事件が2つありました。
若狭湾4kmを泳ぎ切る、我が校伝統のスパルタ行事。
1年生の夏・恒例の「魂の遠泳訓練」
そして世にも名高い
です。続く。