夜行性🌙サナトリウム

大阪在住のオジサンが戯言、譫言、寝言の数々を綴ります。

謝意~仕事ってこういうことだと思う~

社会人戦力外


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言っておくが僕は、転職には強、、、かった。→過去形

30歳を越えてからも3度、転職しているが、この見かけの無惨さを思えば、面接や面談の強さは特筆すべきものだったと思う。有森裕子じゃなくても「自分で自分を誉めてあげたい」くらいだ。

ただ、前回、去年年末《48歳時》の転職時《会社都合》の書類審査の通過率については、もはや「社会人戦力外」を確信するに足る散々なものだった。

もし、資格と言えば車の免許くらいしか持たない高卒のあなたが、40代にして転職をしなければならなくなったら、、、。

よほどの特殊なキャリアがないと、ほぼ、レジュメ掲載タイプの転職サイトを利用しての転職は、絶望的だと考えた方が良いと思う。en、リクナビネクスト、DODAマイナビ等有名求人サイトは、あくまで35歳までの方のものだ。だって、応募すれど応募すれど、バッターボックス《面接の場》に立てないんだもの。生涯雇用の時代が終わりを迎えつつあるのだとしたなら、今後、職場環境や収入状況の格差は、ますます凄まじいものになるだろう。中途組、40代、まともなホワイト企業で年収600万円なんて、もはや恥人の妄想である。かといってグレー企業で毎月手取り15万円をもらったとしても、諸々の必要経費や支払いをしながら妻子を養うのは、まず不可能。なら、インセンティブ狙いのブラック企業で馬車馬のように働いて、年収1000万円を目指すのも有りなんだろうが、ま、それに挑んだ者の大半は、ストレスで心身を痛め、寿命を削るだけだろう。若い頃、訪問販売の布団屋に15年以上いて、数えきれない地獄を見た僕が言うのだから、間違いない。

契約社員の危うさ

なら正社員は諦めて、比較的高めの時給や月給で、契約社員を途切れることなく継ぎ足して、生きていくのはどうだろう?

事実、去年の末にたばこのメーカーを辞めた48歳の僕を救ってくれたのは、契約社員だった。某クライアントが全国に大量に抱える、ラウンダーのおばさま方のSV業務。手取りは24万円、土日祝はきちんとおやすみである。自エリアの、クセの強い14名とのかしましい日々は、大変なこともあったが、テレワークやリモート会議、自宅からの直行直帰をフル活用する職場環境は、効率的でストレスの少ないものだった。多分、18歳から社会人をしてきた中で、1番ホワイトな環境だったかもしれない。

 

《これが定年まで続かないかな》

 

だだそんな夢想は、入社して程なく、クライアントの撤退により、打ち砕かれた。5年は大丈夫だと聞かされて入社したはずが、僅か半年での契約終了。会社都合の連続で不可抗力とはいえ、48歳滞在時、2度目の転職活動突入である。

人材派遣、というより情報収集

現在、僕は、正社員だけに限らず、派遣や契約社員を含め、何十件もの案件に応募をしている最中である。相変わらず、インディードを除いた著名な求人サイトでは、門前払いを喰らいまくる日々。ただ、こうなってしまうと、自然に精神強度は上がってゆくものだ。今の僕にとって、

残念ながら今回の採用はお見送りとなりました、今後のあなたの活躍をお祈りしております。

は、そよ風にもならない。鼻毛さえなびかない。活躍など祈ってもらわなくて結構だ。上等だ。関係ないね、柴田恭兵風。

ただそんな鋼のようなメンタルを手に入れても、どうしても慣れないことがある。それが

 

《人材派遣会社の我々戦力外組への対応》

 

もうね、何社のサイトに隅々まで個人情報を提出しまくったか!それでいて、応募した企業に繋いでもらったことは「0回」である。からくりはこうだ。

 

  1. 「おっ、時給もいいし、営業経験者優遇?40代活躍中?土日祝休み?長期雇用、正社員の可能性有り?こっ、これは応募だ!」
  2. 応募後、一様にこのような返信がある。《まずは我が社のサイトに自身のレジュメを打ち込んで下さい。社内選考を通過した方には、2~3営業日以内に担当者から連絡を致します》この個人情報の打ち込みがかなり大変!面倒!
  3. もしくは、まだ良心的な企業であれば《登録会のお誘い。履歴書と職歴書を先にご送付下さい。後ほど、ZOOMにて担当者が面談を致します》
  4. ただ残念ながら、3を経るにしろ、4を経るにしろ、その《社内選考》とやらを通過することは、ほぼない。
  5. では以降、登録した人間を人材としてデータ化し、こちらの希望に類するような案件が出てきた時、声がかかるのか、といえば、答えは「何もなし」である。
  6. つまりは、中長期的な、いや、短期でも一向に構わないが、多くの人材派遣会社には《企業と人材のマッチング》をし続けるような良心や余裕は、全くないと言える。若くて特殊な資格や経験がある人間なら別だろうが、我々40代中途組は《登録するだけ無駄》だ。結果的には個人情報を収集されるだけである。
  7. 多くの人材派遣会社の担当者たちにとって、案件に人をあてがうのは、その時その時の流れ作業である。クライアント側には気を使うのだろうが、人材側に対しては、極めて横柄で無礼。「貴重な個人情報を我々を信じて預けて下さっている、何とかご希望のこの案件へと橋渡ししてあげたい。それが無理ならそれに類するような案件を紹介してあげたい」というような意識の高さなどは全くない。

 

そして本日、ついに温厚な僕をキレさせるツワモノが現れたのである。

いきなりの電話、仕事の提示

「もしもし、旅寅様の携帯電話ですか?わたくし、○○の○○と申します」

 

社名はハッキリ覚えていた。そこは高時給の営業系の仕事を数多く扱っており、僕は複数回、様々な案件に対して応募をしたことがあったからだ。無論、経歴も個人情報も、面倒くさいのを必死にこらえて、隅々まで記入し、預けてある。ただ、社内選考とやらに落ち続けているのか、これまで向こうから連絡があった試しがなく、その時点で僕の不信感はピークに達していた。

 

《人材派遣業界のノリとかしきたりは知らんが、生年月日から住所から電話番号から経歴から、めちゃめちゃ時間をかけて記入、提出して、結果、複数回、何のリアクションもしてこなかったんだから、担当者はそのあたりにはさすがに触れるだろう》

 

僕なら、これまでの記録があるなら、

 

《○○様、幾度かのエントリーにも関わらず、これまでお力になれずに申し訳ございません。本日はご紹介したい案件があるのですが、現在状況はいかがですか?

 

記録がないなら、

 

《○○様、ご登録以降、お仕事へのエントリーの状況はいかがでしょうか?、、、連絡がない?お力になれずに誠に申し訳ございません。本日は、、、》

 

このくらいのことは確実に言うだろう。それが個人情報を提出させた側の、応募をスルーしてきた側の、最低限の礼儀だし、お客様への気遣い、というものである。ただ、その担当者の女性は相当レベルが低いのか、想像力や洞察力が欠如しているのか、僕ら中途組をゴミだとでも思っているのか、かしこまった部分は微塵もなく、

 

「来月1日から始まる仕事がある」

「時給は1600円、営業に聞かなければ分からないが、1700円になる可能性もある」

「新規開拓である。7時間に100件の飲食店を周り、キャッシュレス決済の機械の設置の了承を頂く仕事である」

「機械の設置を了承させた件数より、100件回ることに、クライアントは重きを置いている」

「前倒しの急な案件である、すぐに対応できる人を捜している」

「来週の月曜日が面談である」

 

このあたりをガツガツ感丸出しで伝えてきたわけである。要は、急な案件で行ける人をあてがおうとして、僕にたどり着いたというわけだ。ま、それはいい。これまでの経緯に全く触れることもなく、いきなりこちらが希望したわけでもない案件に必死にはめ込もうとするエゴにも、目を瞑ろうではないか。

 

ただ、口ぶりから、彼女が全く、僕の経歴を理解していていなかったのはマジでうざかった。いやいや、電話する前に2~3分レジュメ読み込むくらいはエチケットやないのか?そもそも100件の情報収集が主たる業務なら、僕みたいなオッサンじゃなく、若い、体力のある奴をあたるべきじゃないか?

 

要は何が言いたいかと言えば、片っ端から営業経験者で仕事が決まってないであろう奴らに電話を入れているのが丸見えなのだ。そこには親切心どころか、1人1人のキャリアへの敬いなど、微塵もなかった。

 

「いや、あのさ、こっちが応募した案件はことごとく「社内審査で落選」で以降なしのつぶてでさ、この急な案件に関しては、そっちの都合で誰でもええから空いてそうな奴らに片っ端から電話か?この案件に社内審査はないんか?」

 

「12月から始まるはずの案件が7月開始になりまして、時間がなかったもので、、、

 

「時間があるとかないとかワシに関係あるんか?お前さ、話聞いてるか?この案件に社内審査はないんか言うとんねん。じゃあ聞くけどな、ワシがこれまで応募してきた案件とこの案件、どっちも営業系やんけ?なんでこの案件はいきなり採用前提の電話で、応募案件は完全スルーやねん?お前ら、オノレの都合だけで動いとるんか?いきなり面談来ませんか、来週から働きませんか、て、ワシの足元見とるんか?で、仮に面談行ったとしたら、その交通費とか出るんか?」

 

「、、、いえ、、、」

 

「は?お前、ありったけの個人情報登録して、必死に仕事探してる求職者のこと、舐めとんのか?社内審査の基準はどこにあるねん?この案件とワシの希望、かけはなれとるがな?ってかそもそも、お前ワシの経歴、把握しとるんか?そんくらい頭に入れてから電話してくんのが、お客に対する最低限のエチケットちゃうか?

仕事とは、目の前のお客様や職務に対する、熱意と誠意である

同日午後。また異なる案件で、違う人材系企業の担当者と面談。午前中のそれで疲れていた僕に、期待感など絶無であった。ただ、現れたその担当女性は、正直で、誠意と気遣いに溢れる方だった。

 

《ご希望の案件は、大卒の女性を採用する傾向が強く、男性の場合だと40代前半までくらいじゃないと、難しいかもしれません》

 

最初にそう言ってもらえれば話は早い。他にも自力で正社員の面接は複数入っているのである。48歳、資格は免許のみでも、少なくとも僕は、行き場がないわけではない。ブラック企業しか選べないわけでもない。妻子もおり、意欲もある。キャリアや能力もある。ゴミ扱いされても困るのである。

 

そして次に、職歴を見た彼女の口から出たのは意外な言葉だった。

 

《旅寅さん、○○にいたんですね。実は私もいたことあるんです。何とかお仕事、決めてあげたいですね》

 

世の中は狭いものだ。まさか元同僚だとは!

 

当日夜、早くも2件の企業データが送られてきた。希望した案件はやはりダメだったが、その彼女の温かい誠実な動きに、人材業界も捨てたもんではないな、と改めて思った。

 

仕事とは。

 

目の前のお客様や職務に対する、熱意と誠意である。