特権慣れが肥大化した一例の話

T女史への鎮魂歌

勿論、実名など上げようもないが、以下は全てノンフィクションである。

無論、ノンフィクションである以上、個人的な好き、嫌いなどによる偏りは全て排除してある。僕には、実のところ、客観的視点に徹するのは一苦労なほどに彼女が嫌いな時期もあったが、時の流れは立場や感情を劇的に変えるものだ。渓流や急流を転がる石の角が削られてゆくように。

この記述は今後、ある企業内において凋落し、茨の道を歩くであろう彼女への、元同僚からの、いわゆる鎮魂歌でもある。

あれほど(他人に干渉するな)と忠告しておいたのに、もはや病気だなと思う。

とりあえずは、あらましを書いてみる。

良い先輩ではある

某外資系企業の日本支部、その現場(ラウンダーチーム)に、T女史は立ち上げ直後から参加していた。社歴は営業員の中でも最古参に近く、現管理職たちのほぼ全員が後輩にあたる、というくらいの、いわゆる古株である。

だからといって、特段、彼女が周囲に偉そうで高圧的、ということでもなく......。

多少、お局気質な部分はあったにせよ、T女史は、常に、僕の下ネタをガハハと豪快に笑い飛ばすような、そんな気取りのない、酒好なオバサンであった。(典型的な大阪のオカン、かな？)

愛すべき先輩。

恐らくその範疇であっただろう。

彼女は、同チームの後輩である僕や、同期のS氏にとっては、気軽に物を尋ねられる先輩でもあった。何度も焼鳥や焼肉をごちそうになったし、一緒に釣りや競馬に出かけたこともある。それだけに、人としての彼女の良い部分を、僕らはよく理解もしていた。

「私は数字なんて気にしない。店のことだけを考えて仕事をしている」

彼女の口癖である。

その発言には、自分はあくまで現場側の人間だ、という矜持が含まれていた。

ね？ここまで読んだら、何にも悪いとこないってなりそうなもんでしょ？

ただ残念なことに、表裏を併せれば、彼女はジャンヌダルク的な反骨心のカタマリなどでは、全くなかった。

後述するが、T女史には悪魔のような、救いのない「悪癖」があったのである。

怪物

彼女は、当時、絶対的な権力を持っていたA本部長の「お気に入り」の1人であった。

A本部長は典型的な「モテない、権力酔いをする、クソみたいな男」で、のちにパワハラを押さえられ、会社を去ったものだ。

とにかく彼は、女と媚びに弱かった。

そしてそんな奴がトップにいる営業部隊に、まともな評価基準が存在するわけがないのである。彼は、追い込まれるしか能のない脆弱な子羊達にとっては、手のつけられない「怪物」であったが、いわば、彼をコントロールしようとする一部の人間にとっては、都合のよい安易な道化師だった。

一部の女性社員の進言や密告、主観的感情的私見の影響で、罰せられたり、辞めざるを得なくなった管理職が複数人いる。

彼に目をかけられた者はどんなに中身がクソでも出世をしたり、目こぼしをされる。

A本部長自身もさることながら、A本部長に媚びる管理職(寄生虫)たちが、A本部長の意を汲み、顔色を伺うようなクソ組織である。そんなヒエラルキーの中で、特にT女史が抜けて悪質だった、というわけでは、決してない。彼女自身は、A本部長にはきちんとした節度や距離感を保っていた。

怪物に媚びる悪質な寄生虫

そもそもA本部長に影響力がある、なんてのは、T女史には何の責任もない話だ。

彼女は立ち上げ時からA本部長の知己を得ており、付き合いも長く、要は本部長側がいわゆる「戦友」的な感情を彼女に抱いていたにすぎない。

ただ、問題は、それを知っている中間管理職(マネージャー)の連中にあった。

プライドが高く、しかも自身の先輩にあたる、扱いにくいことこの上ない存在である彼女を、何人かの管理者がチーム運営において「甘やかした」のである。

A本部長に余計な告げ口をされたら、女好きな彼は即刻、自分を潰しに来る。 (バツイチの彼女には入社直後から10歳年下の不倫の彼氏がいたが、彼女は社内で彼氏の影を見せるのを極端に嫌った。そのように、フリーを演出した方が上役の男受けが良い、という本能が一部の女性にあるのは周知の事実だ。事実、結婚した途端にアシスタントから外されて、もう番組に呼ばれなくなった菊地亜美が、その法則を証明している)

そりゃ、そんな火薬庫みたいな女、中間管理職側からすれば、取り込んだ方が楽に決まっているではないか。

そしてT女史は(特権酔い)により、重度の「勘違い症候群」を発病させた。

彼女はマネージャーを含む上役の多くに、とにかく顔が効き、気を使われた。

とりたてて優秀、というわけでは全くないのに、ツッコミどこ満載の彼女への厳しい指導は行われず、自然にT女史は、それら、寄生虫的なマネージャーのチーム運営に、

「助言という名の的外れな主観」

で口を挟むようになったのである。

営業の評価とは？

後輩や同僚の営業活動の「報告書」を、やたらめったらチェックする。

無論、「見るだけ」なら、何の問題もない。

ただ、彼女の行動はそれには留まらなかった。だだの「癖」はやがて「悪癖」となり、後輩や同僚の行う仕事の「アラ」を見つけては、それをせっせと上司や、上層部に伝える、という悪質なものへと変貌を遂げたのである。

ただのオバサンであるT女史の感情論、チンコロや進言、要は「エゴ」が、運営に反映されるのだから、チームメンバーはたまったものではない。

彼女はひたすら、自身の主観で標的をこしらえ(自分になびかない気にくわない奴、指摘する隙がある奴)何人もの転勤や退職に影を落とし続けたのである。

この「誰かの排除に繋がる行動」を、チームマネージャーやチームリーダーが行うのであれば、それはすなわち「業務」の範囲だ。※ま、そんなクソみたいはマネージャーは下からすぐ見放されるだろうがwww

ただ残念ながら、彼女は大部分の社員の先輩ではあるが、管理職ではなく、リーダーでもなかった。周囲は彼女を誰1人、仕事上「自分より上」の立場だとは認識しておらず、もっと踏み込んで書くなら、営業として全く認めてもいなかったのである。

そりゃそうだ。

尊敬される営業とは、どんな営業か？   

どんな御託を並べようと、その判断基準は「圧倒的な数字」である。

どんな厳しい条件下でも「数字」で結果を出してくる人間が評価の対象にならなければ、目標やKPIの意味、いや、営業職の意味がなくなってしまうではないか。

僕は今、別企業でラウンダー14名のSVをしているが、数字で個々の能力が明確に出る新規開拓営業の管理職(プレイングマネージャーを含めたら10年以上経験している)に比して、ルート営業の管理職は、部下の能力判断が困難なんじゃないか、と考えていた。

ただ、この立場になってみて、初めて気付いたことがある。

ルート営業の方が、実は丸見えなのだ。

下が手を抜いたり、サボっている場合、それは手に取るように分かる。

更に言えば、職務に誠意や熱意があるかどうかは、更に鮮明である。

無論、担当エリアによっての特性(有利不利)は明確にあるからそこは考慮しないといけないが、やはり毎回、安定して高いアベレージを維持し続ける営業は、飛び抜けて質の高い(めんどくさい)活動をしているものだ。

言い訳や見せ方だけでは、どうしたって乗り越えられない高い壁。

僕は、自分がトークの才に依存する、新規開拓営業としては、極めて優秀な人間であると知っている。

ただ、計画や準備、緻密さや反復、いわゆる生真面目さが何よりの武器になるルート営業においては「イマイチ」であるが為に、その管理職に就いた際、自身と似た物を感じるイマイチな部下、そうじゃない優秀な部下が、手に取るように分かるようになったのだ。

「私は数字なんて気にしない」

それで上に一切媚ないジャンヌダルク的な気質なら、そりゃ現場側からは好かれるだろう。それなら、尊敬の対象にはならなくても、敬愛できる先輩、にはなれたかもしれない。

そう、彼女には中途半端で偏った愛社精神、厳しさなど、必要ないのだ。キャラクター違いもはなはだしい。尊敬されずとも、先輩格というのは、下から愛されれば、それはそれで勝ち組なのである。

不倫はしている、裏に回れば周囲のアラや抜けを上にチンコロしまくる、自分の報告書は一言、決められた画像はなし、KPIは常にマイペース。

そんな勝手気まま、倫理観欠如な彼女に、誰に何を指摘する権利や資格があるのか？

言われた側はまさに

(は？アホかこいつ？)

である。

常に、どんな状況でも全国上位の成績を叩くS田先輩やM川女史に言われるならともかく、再度、敢えて記述するが、活動はマイペース、報告書はいつも一言、決められた売り場の画像も一切載せない、数字も自分達と大差ない、というような彼女の指摘を、一体誰が求めているというのか？

ピンボール並の転勤状況や過度なストレス、PCスキルや事務能力を求められる管理職になる覚悟はない。現場にいたい。

でも、自分のことは置いといて、周りにはとやかく言いたい。

目につくダメな奴には何らかの罰や排除を。

そんなのはエゴ以外の何物でもない。

誰かに何かを言いたいのなら、

①まず自身の行動を律し

→誰もが認めざるを得ない活動と数字

②管理職になる

→様々な覚悟を持ち、責任を受容する

これしかないのだ。

どちらもできない人間の言うことなど、誰かの心に響くわけがないではないか。

何より、キャラクターは反体制なのに、上に周囲をチクる、というこの「犬的」な行動を、彼女は「愛社精神」「正義」だと勘違いしているのである。

自身の仲間に指摘はしない

「会社の膿を出す」

そんな正義感が彼女に本当にあるなら、社会道義的に不倫をしていた責任を真っ先に自らが取り、退職すべきであろう。

彼女が指摘を全くしなかった、至近にいたマネージャーや社員の実態と、以降どうなったかを羅列してみる。

A本部長→パワハラで退職

Hマネージャー→不倫や部下への借金の要請発覚で退職

Fマネージャー→全国1の数の虚偽報告が発覚し、降格人事受け入れ。

K社員→パワハラ同行にて、何人もの新人の退職に影響を与えた。以降、転勤指令を拒絶し、退職。

M社員→サボリと虚偽のオンパレードにも関わらず、処罰のないまま、退職。

これら事例の実情を、彼女は明確に把握していた。T女史が本当に愛社精神と正義感に溢れているなら、周囲の人全てに分け隔てなく、毅然とした態度を統一すべきであろう。

ところが彼女は自身の飲み仲間や、自分の仲間の醜態については、一切指摘をしない、上にチクらない、というスタンスなのである。

つまりは正義感や愛社精神などではなく、個人的な感情や主観、計算で動いている、ということだ。

彼女の下半身事情

そもそも、彼女は自分を特別扱いしないマネージャーを徹底的に叩く傾向がある。

Kマネージャーはイケメンの、部下を一様に平等に扱う方だったが、彼はT女史以上にA本部長に好かれており、特に彼女を立てたりはしなかった。で、T女史は、彼の女性スキャンダルを、ひたすら周囲に吹聴したものだ。

更に、遠いエリアに配属された、旧知のOマネージャーの不倫問題については、周囲に必死に吹聴するに留まらず、わざわざ本社に嘆願まで上げたという。これには噂があり、そもそもT女史は、このOマネージャーやHマネージャーと怪しい、というのだ。

つまり、一時は自分を特別扱いしていた人間が、自分の存在を無視、軽視するようになったから、憎しみが倍増した、という説だが、ま、それは単なる下衆な噂であり、嘘か誠かはどうでもよい。誰が彼女の下半身事情に興味があるというのか(笑)

だだ、完全な事実もある。

彼女が過去不倫をしていて、それを清算したあと、同じチームの男とこそこそ付き合っている、という状況だ。

よくもまぁ、それで他人の色恋を極悪扱いできるものだと思うがwww

人は認め合うもの

僕は在籍中、彼女に何度も

「他人に干渉するな」

と説いた。何度もだ。

「干渉するなら全ての人間に」

「干渉したいならマネージャーになれ」

「それほどあなたは完璧なんですか？」

このあたりもさんざん伝えた。

(全て聞き流されたが)

別に彼女を舐めていたから生意気な忠告をしたわけでは全くなく、要は、良い部分もある先輩に、親切心が沸いたから、助言をしたに過ぎない。※僕自身めちゃめちゃ干渉されて、ストレスMAXの時期もあったが、幸運にもチームが別れてからは標的が変わり、平和になった。

そもそも、一貫して僕も周囲も同じ認識だ。

上司は彼女ではない。

先輩だかなんだか知らんが、凡庸な彼女の指導を仰ごうなどという人間は、ハナから誰もいないのだ。(理由は、もうここまでさんざん書いたからいいだろう)

再度書くが、営業は数字である。

キャラクターが良いとかコミュニケーションが得意だとかトークが立つとかユーモアセンスがあるとか、そういうそれぞれの特性は素晴らしいものではあるが、営業マンが営業マンを尊敬、ひれ伏すとすれば、もうその理由は「数字しかない」のである。

だから僕には、全国上位の常連であるチームメイトのS田氏から、

「数字、もうちょい頑張ってよ～、旅寅さんやれば周りも頑張るからさぁ～」

などというお世辞を言われ、ついつい翌日から死に物狂いで数字を追い、諦めていた目標を、うっかり達成した経験がある。

そりゃそうだ。

彼のお願いや指摘は、重いんだもの。

そりゃやるわさ。営業として、尊敬せざるを得ない結構を出し続けている人の指示なら。それにS田氏は、僕の営業力やキャラクターをよくよく誉めてくれたものだ。

人間は認めてくれた上で、嫌みなく、上からでもなく、親切に優しく、導いたり、サポートしてくれたりする人に従うものだ。

要は、相手を立てる技術である。

そういう言い方が上手にできないのも、T女史の限界なんだと思う。

公平なマネージャー

A本部長が消えたあと、色々あって、僕は退職をし、当企業を離れた。その後、僕の仲間だったS氏やA氏にとっては、待望の

「公平、平等な、話の分かるマネージャー」

がやって来たらしい。

y本氏やN川さんなど、能力やキャラクターはあったのに、それに見合った評価を得られないまま退職した方々が残っていれば、きっと居心地の良い環境だったのだろう。

だだ、それはT女史にとっては、全く話は違う。彼女は平等や公平など必要としてはいないのだ。今のマネージャーは単に

(自分を特別扱いしてくれないダメな上司)

である。またまた僕の友であるS氏やA氏、他のチームメンバーたちは、T女史のチクリの対象になった。それでももう、周囲は誰も排除されることはない。マネージャーへの無能キャンペーンも、もはや上層部には逆効果になっていることだろう。

T女史がコントロールできたアホな上司は、もうどこにもいないのである。

天に吐いた唾が顔にかかるように、今、T女史は現マネージャーから詰められているのだそうだ。

彼氏を巻き込み、人のアラを探す行為にどこまで執着するのか知らんが、ま、僕に分かることはこれだけだ。

戦時中の軍人は戦果によって出世をしたり、自分の立ち位置を築く。

では平和な時代の軍人はどうやって出世をするのかといえは、人を批判することで、人の足を引っ張ることで、自分の優位性を確保するんだそうな。

彼女の悪癖は、まさに平時の軍人のそれと同じである。人を批判することで優位性をアピールする。クソにしか分からない心理だ。

彼女は上から特別扱いされることより、下から尊敬されることより、下から敬愛される道を選ぶべきであった。

凡庸なんだから。ただのオバサンなんだから。

あなた程度の能力や、営業力や、キャラクターで、誰かに何かを指摘するなんて、、、あなたの羞恥心は、常日頃、目隠しでもされているのか？

そして凡庸な人間ほど、特権に泥酔するものだ。ベロベロだから自分の気持ち以外には盲目なのである。

アラをチクられた人間が処罰されたら、その家族も路頭に迷う、ということを、彼女は理解しているのか？

その、複数の人生を破滅に導く殺人行為が、周囲にバレていないとでも、思っているのか？

そんな血も涙もないことをして、恨みを買わないとでも思っているのか？

何で穴だらけのあなたに対して、周囲が今まで反撃もせず、上にもチンコロしなかったか、分からないのか？

それは、あんたのしていることがあまりにクソだからだよ。そんなクソみたいな人間に、誰もなりたくないのさ。

裏で背中から人を刺しておいて、表では朗らか～に電話を入れてくる。

サイコパスじゃね～か(笑)

近く、居場所はなくなるであろう。

ま、それでも辞めないだろうが(笑)