夜行性🌙サナトリウム

大阪在住のオジサンが戯言、譫言、寝言の数々を綴ります。

【弾ぁ、まだ残っとる】~今の会社が嫌で嫌で仕方がない若い方々へ~

生きていくのは大変ですね

f:id:robin4811:20160518073046j:plain

当ブログ著者紹介

旅寅

ライター

旅寅

元風俗店主という経歴を持つ大阪在住の43歳。はてなブログ「夜行性サナトリウム」にて発表した「元風俗店オーナーが書く」シリーズが、はてなブックマークの総合ランキングで1位を記録したことをきっかけに、本格的にライター活動を開始する。2016年、カクヨムにて発表した「造花~愛しき嬢との3年間~」がカクヨムエッセイコンテストの最終選考に残るなど、精力的に活動中。

当ブログ著者連載記事

work-mikke.jp

☝読んで下さいね

社会人は大変です・・・。

そりゃあね、たまには変わった人もおります。

どう考えても自分が悪いのに自分のことを東京スカイツリーよりも高い棚に上げて、やれ上司が悪いだの、会社が悪いだの、主観的ではあるけど客観性ゼロの理由をつけて辞めてゆく方。

でもそんな人は、そんなには多くはないと思うのです。

(10人中1人か2人くらい?)

殆どの「退職した方、退職したい方」のやる気を削いだ理由は、恐らくは企業や上司の理不尽や不公平、人間関係からくる心の消耗などでしょう。

多分、真面目な方ほど真正面から受け止めてしまって、馬鹿馬鹿しくなったり、嫌気が差したりすると思う。

心を疲弊する人、体を蝕まれてゆく人。

長きに渡り無理をして耐え、刻み込まれた深刻なダメージを数年引きずる人も多いと聞きます。職場での強烈なストレスからガンになって亡くなってしまった人などの無念を思うと、辛いですよね。

その職務にやりがいを見出し、命を懸けていた方ならともかく、そうじゃない方ならば、さぞ、無念だったことでしょう。

誰もがしたいことをして、生きられるというわけじゃない。

(馬鹿馬鹿しい!)と思いながらも、仕事と割り切って働いている人も多い。

そんなあなたを見て、心配してこう言う人もいる。

 

【そんなに無理することはない、嫌なら辞めればいい】

 

・・・いやいや、ことはそう単純ではないのです。

そう簡単に辞めることができない理由があるからこそ、多くの人が我慢するわけですから。生きていくにはお金がいるし、家族がいれば責任もあるし、しかもこのご時世です。

状況や年齢を思えば、次の仕事だって見つかる保証はないわけです。

 

【宝くじが当たったらこんな会社、すぐ辞めるんだけどな】

 

そう思ったことがある人、結構いると思うのです。

それでも踏ん張る人、踏ん張りきれる人は・・・本当、心底偉いと思う。

でもそこで辞めてゆく人がダメなのかといえば、そんなことはない。

 

人それぞれにプライドがあり、ファウルラインがある。

 

どんな理由で退職するにしても嫌なもんは嫌なわけで、その選択の先にはどのみち、苦労や成功が待っていて、そしてそれを受け止めるのは、結局は自分自身なのです。

 

(そんなことで辞めるの?)というような軽微な理由で退職する人もいるのかもしれませんが、それはそれで次も、また次もと繰り返すうちに、成長するなり、別の生き方を探すなりするはずですから。

 

最終的に「あの時辞めて良かった」と思えれば、それでいいと思います。

 

ただ、理不尽や横暴に愛想を尽かして辞めた人の中には、こんな人がいます。

 

(どこに行っても同じだった。こんなことなら、まだあの会社で我慢していた方がマシだった。辞めるんじゃなかった)

 

これが1番辛いパターンですよね。

何度転職してもなかなか安住の地に辿り着けず、どんどん状況を悪化させてしまう人。

うちの親父がよく、昔、そのことについて話してくれました。

 

「あのな旅寅、何して生きていってもええけど、会社員で生きるなら「アホになる」こっちゃ。ワシは大手企業、ワンマン企業、どっちにも長くおったけど、大手には大手の理不尽、ワンマンにはワンマンの横暴があるわ。そりゃ、スキルがある人間の中には運良く転職先が凄い良かったって人もおるやろけど、そうじゃない人間は大抵、どこの会社行っても似たり寄ったりちゃうかな?嫌なら辞めればええんやから、残るならどんなに腹立っても文句は言うな。逆らうな。アホになれ。なりきれ。なられへんのやったらスパっと辞めて、苦労して自営でもしたらええんや。1番アカンのはな、アホになりきれんと無数に転職繰り返して、結局最後まで腰が落ち着かん奴や。(こんなことならあん時辞めんかったら良かった)っていうのにだけはなるなよ?」

 

親父は40を超えてから異業種に転職して定年まで勤め上げ、今は悠々自適の引退生活です。大手の理不尽も、ワンマンの横暴も味わい尽くしたんでしょう。さすがに言葉に重みがあります。

 

そういえば・・・最近目にした記事で、素晴らしいものがありました。

 

菅原文太氏。

 

今は亡き氏の遺言をもって、今日のブログを〆たいと思います。

 

 

若い連中に伝えたいこと

まっ、今の若い連中もたいへんだと思うよ。生まれたときから、親や社会がレールを敷いちゃってな、そのレールから少しでもハズれるようもんなら、すぐに落伍者の烙印を押されてしまう。レールから外れんように生きていても、ほら、最近はヒドい会社が増えているというじゃない?ブラックなんとかみたいな。まじめないい子ちゃんほど、いいように会社や世の中に利用されちょる。まぁ、それは昔と変わらんけども。

だから、そんな連中に言いたいんだよ。

負けてもいいぞって。

でな、さらに大事なことは心の中で、こう自分で自分に言い聞かせることなんだよ。

 

 

「弾ぁ、まだ残っとる」。

 

 

例えば、若いサラリーマンが会社で理不尽な目に遭っても、そこはいったん負けを認めたほうがいい。自分に正義があったとしても、相手は組織だしな、しかも組織ちゅうのは、汚い大人の集まりだから(笑)。けんかするだけ無駄だ、勝てっこない。でも、負けたからといって卑屈になることもなければ、気力を手放すこともないんだよ。

 

そこはジッと我慢して、自分には「弾ぁ、残っとる」と思い、前を向けばいいわけ」

 

 ──弾とは──

 

「その弾の正体は、自分がこれまで勉強してきたことや、周囲の人たちから受けた愛情や支えだと思えばいい。で、本当に自分が勝負を賭けたいときに、その弾をブッぱなせばいいんだ。その弾が当たらなくても、懲りずに自分には『弾ぁ、まだ残っとる』と強がって生きてりゃいい。その繰り返しだよ。男の人生なんてもんは」

 

週刊プレイボーイ 

菅原文太 インタビューより抜粋

当ブログ著者紹介

旅寅

ライター

旅寅

元風俗店主という経歴を持つ大阪在住の43歳。はてなブログ「夜行性サナトリウム」にて発表した「元風俗店オーナーが書く」シリーズが、はてなブックマークの総合ランキングで1位を記録したことをきっかけに、本格的にライター活動を開始する。2016年、カクヨムにて発表した「造花~愛しき嬢との3年間~」がカクヨムエッセイコンテストの最終選考に残るなど、精力的に活動中。

当ブログ著者連載記事

work-mikke.jp

☝読んで下さいね