皆さんは産地を気にしますか?しませんか?
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長崎県の直売所に「福島県産」
去年、長崎に暮らすうちのおかんが大きな桃を買って送ってくれました。スーパーとかで買ったものではなく、直売所的な場所で買ったものだったそうな。おかんは同様によく野菜も送ってくれるんですが、僕ら夫婦は産地に毎度毎度チェックを入れるほど繊細なキャラでもありませんでね。ただ、今回たまたまその桃の産地が目についたのです。
「なんでスーパーならいざしらず、長崎県の直売所で、福島県産の桃が売られてるんかな?」
ま、それも流通経路の1つといえばそれまでなんですが、正直ちょっと違和感がありました。
(風評被害で売上が落ちたから遥か遠くの直売所に凄く安く卸してるんかな?福島県の農家の人も大変やな・・・)
一瞬、そんなことも思いました。
だって僕にとっての直売所って「そこでできたものを安く売る」というイメージしかないないんですもの。
でもどうやら、最近はそうでもないようですね。
さて、ここからが本日の議題。
我が家はその桃をもちろん全部、奪い合うようにして食べたのですが(超美味かった)食べながら、
(あ、これはブログで書いてみよう)
と思いましてね。
つまり「福島県産」に対する風評について触れてみようかな、と。
正直、書き手としては難しくはあるんですが、いずれ書きたかったことなのでね。
原発で働いていた従兄弟
あの忌まわしき東日本大震災において、関東圏に住む僕の従兄弟は被災者となりました。結論から言いますと、家の中はメチャクチャになったものの、家屋の倒壊などには至らず、彼も無傷でした。海から離れているせいか、津波も来なかったようです。
さて、その従兄弟。
実は10年前くらいまで数年間、原発で働いていたことがあります(福島ではないです)
だから今回の福島第一原発の事故について尋ねれば、近距離でもあることだし、かなりリアルな感想を聞けると思ったのですが、いや~、期待を裏切りませんでしたね。
旅寅「ところで原発で働いてた経験のある君からしたら、実際、今の福島ってもう大丈夫と思う?」
従兄弟「ん?それはお前、その人次第さ」
旅寅「は?」
従兄弟「原発で、防護服着て日々働いてる人たちはさ、「放射能は幽霊と同じ」ってよく言うのよ。つまり、影響を信じる人は怖いし、信じない人は怖くない、ってね。住人や作物や海産物への影響は、あると思う人は原発から離れて産地も気にすりゃいいし、ないと思う人は気にせずに生きりゃいいのさ。俺は長いこと原発で働いてたくらいやから、もろもろ気にもならんな。そんな生き方してきたけど今も健康だしね」
旅寅「じゃあ産地は完全に気にしない派なんやね?」
従兄弟「気にしないどころか、昔さ、こんなことがあったのよ。俺が働いてた原発の至近の海では、通常よりやたらとサイズがでかい魚が釣れるのよ。それを(放射能のせいで異常成長してる)って怖がって食わない奴もいりゃ、俺みたいに(ラッキー!食費浮く)ってガンガン捌いて刺身で食う奴もいるわけ。もし放射能のせいならさ、10年以上経った今でも、俺が健康なのは妙でしょ?そんな俺からしたら、福島産なんて何の問題もないね」
旅寅「なるほどね、説得力あるわ~」
従兄弟「人それぞれの判断だから。福島産を避ける人とか福島の安全を懐疑的に捉える人がいても別にいいと思うよ。実際、産地表示があるのは、買い手に知らせるためなんだろうしね。俺らがロボットじゃない以上、皆が皆、同じ感覚になる必要はないよね」
旅寅「なんか・・・悟ってますな(笑)」
従兄弟「いや、そんなわけじゃないけどね(笑)ただ、気になることがあってね」
旅寅「なになに!?」
従兄弟「いや、使命感かなんか知らんけど、福島の危険性を煽るようなことを発信する奴は一杯いるじゃん?「美味しんぼ」とかさ」
旅寅「うんうん」
従兄弟「俺が気になるのは、むしろそっちよりもそれを集中砲火で叩く側だな。あの原発事故の時のTVでさ、ギリギリまで、それこそ病的に安全を強調してた学者が山ほど居たじゃん?」
旅寅「いたね(笑)」
従兄弟「実際、あの事故はマジで超深刻だったと思うんだけどさ、言論統制とか報道規制とか、それに一般人が簡単に乗せられるようになってる気がするのよ。つまり、100%きちんとしたデータもなく、福島の危険性を伝えようとするのは確かに不謹慎で叩かれるべきことかもしれないけど、その反面、事故の危険性をきちんと伝えないニュースがスルーされるのは・・・おかしいよね?」
旅寅「う~む・・・」
いやいや、考えさせられました。
従兄弟は僕と違い、大卒のインテリです。その割には不器用というか、なかなかに冒険的な人生を送っておりまして、いつも話すとかなり面白いのですが、今回も着眼点が僕とは全然違いました。
(俺は俺の判断で産地なんて気にしないだけさ。政府の発表する「安全」を信じてないわけじゃないけど、全面的に信じているわけでもないよ。これからは、情報を鵜呑みにするんじゃなく、何でも自分で判断してゆく時代じゃないかな?)
その言葉は、ずっと胸に残っております。
風評被害より、こうなった理由の方を考えるべき
「想像できることは全て現実なのだ」
上記はピカソの名言ですが、東日本大震災を「想像しておくべきだった」というのは、さすがに酷な話だと思います。
人間の想像力なんて、たかが知れていますから。ただ、歴史が
と教えてくれている地域に、原発なんて厄介なものを作ってしまったのは、何でなんでしょう?
そうまでして、原発は必要なの?
そこまで電気って足りてないの?
皆さんはどう考えますか??
僕や従兄弟は、前述した通り産地を気にするタイプじゃないんですが、僕も従兄弟と同様、それを避ける人がいても別におかしいとは思いません。
そりゃ、影響力のある人が無根拠、無責任に警鐘を鳴らすのは非常によくないですが、色んな人の色んな判断があるのはごく当たり前のこと。
(風評被害で福島の農家や漁師の方々がさらに苦労するのは可愛そうだ)
というのは本当にもっともなことなんですが、それよりももっと重要なのは、そもそもなんでこんなことになったのかってこと。
原発を建てるな、とは言わないまでも、地震や津波が常にあり得る日本で、原発ってあまりにリスキーじゃないんでしょうか?
これって、素人考え??
被災地以外の震災当日
被災し、逃げ遅れて、お亡くなりになった方々の中には、昔からの言い伝えは知ってはいても、まさかここまでとは・・・という人はいらっしゃったかもしれないですね。
僕が当時、福島で暮らしていても、性格上、逃げ遅れていた可能性は高いと思います。
【揺れて津波が押し寄せるまでの僅かな間に、絶対大丈夫な高さの土地まで全身全霊で向かわなければ助からない】
今、僕がそう思えるのは、あの未曽有の大災害があったからです。
南海トラフ地震を待つ身としては、全く他人事じゃない話ですよね。
ちなみに、僕は東日本大震災当時、用事で大阪市内の高層ビルの30階にいました。
ビルは大きく揺れ、オフィス内は結構なパニック状態になりました。
高層ビルというのは、倒壊を防ぐためにそういう風に建てられているらしいんですが、体感的には震度【4~5】だと思ったほどです(※実際は3だったそうです)
ただ、同じ大阪でも南部などには「気付かないくらいだった」という人も多くいて、被災地に比して、遠く離れた土地は比べようもなく幸運だったのは間違いないですね。
きしむエレベーター内ではOLの悲鳴もあがったものの、無事に外に出た僕は、街頭TVで震源が東北だと知って唖然としたことをハッキリと覚えています。
(そんな遠方の地震でこの揺れなの?とてつもない災害が起きたんとちゃうか・・・)
阪神淡路大震災も経験している僕ですが(当時僕のいた地域は震度5)あれだけの「うねるような幅の広い揺れ」は生まれて初の体験だったのです。
嫌な予感は的中し、東北は想像を絶する状況となってしまいました。
いずれ来るはずの南海トラフ地震時に、津波でどっかの原発がメルトダウン、なんてことが再び起きないことを、切に祈ります。
「想定外」はもう、さすがに通用しないと思うのです。
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