読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

夜行性🌙サナトリウム

大阪在住のオジサンが戯言、譫言、寝言の数々を綴ります。

最近聞いた『死ぬほど怖い話』~寒気するので厚着用意~


f:id:robin4811:20160430223409j:image

某有名俳優自宅マンションが現場

 
その夜、その有名俳優が撮影を終えて自宅マンションに辿り着いたのは深夜だった。エントランスからエレベーターに乗り込んだ彼。するとすこし昇った階で、帽子を目深に被った若者が、なぜか昇りのエレベーターに乗り込んで来るではないか❔扉が開く。一瞬、その有名俳優は思った。
 
 
(‥‥………何か‥‥………不気味な奴だな‥‥………)
 
 
若者は顔を伏せながらエレベーターに乗り込んでくる。その時、有名俳優は不気味さに圧され、とりあえず
 
 
『‥‥………こんばんはぁ~‥‥………』
 
 
と挨拶をした。‥‥………返事はない。それどころかその不気味で無愛想な若者は、有名俳優の肩に自らの肩を『ドンッ❗❗』とぶつけながら、一言の謝罪さえせずに、すぐ上の階でエレベーターを降りていった。
 
 
(失礼な奴だなっ‥‥……⁉)
 
 
気分の悪い奴だと腹を立てながらも、俳優は自宅へ辿り着き、服を脱ぎ始める。コートを脱いだ瞬間、彼は異変に気付いた。
 
 
(‥‥………何だコレ❗❗)
 
 
彼のコートの肩口、さっき不気味な若者の肩がぶつかったあたりにベットリとついた、大量の血❗俳優はゾッとした。
 
 
(アイツ怪我でもしてたのか⁉それとも‥‥…⁉)
 
 
気持ちの悪い出来事ではあったが、俳優は翌日も早くから仕事が入っている。寝付きの悪い気分ではあったが、その夜、彼は翌日に備え、すぐに眠りについた。
 

 

翌朝に早くも謎は解けた

 
 
翌日、朝。インターフォンで起こされた彼は、画面に写る警察手帳と警官に、(アイツが昨夜何か起こしたのではないか⁉)と直感。その予感は的中し、警官は続ける。
 
 
『朝早く申し訳ありません。警察ですが、昨夜こちらのマンション内で殺人事件が発生致しまして、マンション住民の方に聞き込みをさせていただいております。ご協力していただければ有り難いです』
 
 
『‥‥………はい』
 
 
『昨晩深夜、マンション内で怪しい人を見た、とか、最近近隣で怪しい人を見かけた、というようなことはありませんでしたか❔』
 
 
俳優は時計を見た。本来なら昨夜のあの不気味な男のことを報告するべき所だ。ただかなり深く眠っていたせいか、今日の撮影まで、もう時間が全くないではないか⁉今からすぐ身支度をして出ないと、間に合わない。束の間、戸惑うように沈黙したが、結局彼は仕事を選び、こう答えた。
 
 
『‥‥………いえ、そういう人間は見たことがありませんね‥‥………』
 
 
警察はそんな不自然な彼を怪訝に感じたのか、
 
 
『‥‥………何でもいいので何かあるなら時間は取らせませんのでご協力願えませんか⁉』
 
 
と腰を低くする。でもやはり、彼には今日の仕事が大事だった。
 
 
『‥‥………いや、本当にそういう人は見たことがありません‥‥………』
 
 
そうして彼は、恐らくは事件に関わっているであろうあの不気味な若者を、結果的にかばってしまったのである‥‥………。
 
 

そして後日の楽屋で‥‥………

 
それから数日後、楽屋で収録待ちをしていたその有名俳優は、ついていたTVのニュースをたまたま観た。
 
 
(先日、都内マンションで発生した殺人事件ですが、本日、犯人が逮捕され、管内の警察に連行されました)
 
 
即座に反応し、画面を食い入るように見る彼。
 
 
(あの事件だ❗❗‥‥………良かった❗❗)
 
 
あれから警察に協力しなかった自分への後ろめたさをずっと引きずっていた彼は、心から胸を撫で下ろした。画面に写る、連行されてゆくあの不気味な若者。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

それはあの聞き込みの警官だった。